麻生、小沢を質問攻め…民主へ「果たし状」所信表明

麻生太郎首相は29日午後の衆院本会議で、就任後初の所信表明演説を行うが、民主党のこれまでの国会対応を「政局を第一義とし、国民の生活を第二義、第三義とする姿勢に終始した」と厳しく批判。民主党に逆質問を連発する異例の「果たし状スタイル」(自民党筋)となる。政権を懸けた次期衆院選を控え、民主党の小沢一郎代表との政策論争に持ち込むことで、自身の政権担当能力をアピールする狙いとみられる。

 政権発足直後の各報道機関の世論調査によると、麻生内閣支持率は50%前後で、与党の期待値は下回った。しかし、「次期首相候補」を問う調査では、いずれも小沢氏を大きく上回り、首相は自らの「党首力」に懸けて衆院選を戦おうとしている。

 それだけに首相は冒頭、日本のあるべき姿として「強く、明るくあらねばならない」と表明。実現のための緊急の課題にまず「日本経済の立て直し」を挙げ、(1)当面は景気対策(2)中期的に財政再建(3)中長期的には改革による経済成長−の3段階で取り組む道筋を示す。

 そのうえで、重視する2008年度補正予算案について「検討の上、のめない点があるなら論拠とともに代表質問でお示しいただきたい」と民主党に要求。さらに「独自案を提示するのも結構。ただし財源の明示を」と、弱点とみる財源問題で注文を付ける。

 新設を目指す消費者庁についても「国民の不安と怒りを思えば悠長な議論はしていられない。ご賛同いただけるのか否か」「否とおっしゃるなら、話し合いに応じていただけるのか問いを投げかける」と詰め寄る。

 外交政策では「日米同盟から国連に軸足を移すといった発言が民主党の幹部諸氏から聞こえてくる。現在の国連は国運をそのまま委ね得る状況ではない」と疑問を呈し、インド洋での給油活動問題でも「幾多の国々はアフガニスタンへのかかわりを増やそうとしている。民主党はそれ(撤退)でもいいと考えるのか」と挑発する。

 ただ、小沢氏に逆質問する首相の手法は、かえって民主党の存在感を増幅させる可能性もはらむ。小沢氏は首相の土俵には乗らず、代表質問では民主党の政権構想をアピールしようと検討しており、首相の狙いは肩透かしを食わされる可能性もある。

 これに対して自民党幹部の1人は「次期衆院選は麻生か小沢かを選ぶ戦いだ。仮に小沢氏がまともに答えなければ、それこそ小沢氏が論戦から逃げた証拠となる」と意気込む。

 所信表明演説直前に舌禍により閣僚が辞任、政権の勢いはそがれた。果たして、首相の「攻め」の作戦は奏功するか。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。